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「でも君を想う気持ちは負けてないつもりだよ。だから誰にも渡したくない。ずっと大切にしたいって思ってる」
「…嬉しいです」
感激している気持ちを伝えたい。そう思うのにそれ以上の志賀を喜ばせるような言葉が出てこない。法律に関する知識ならすらすら出てくるのに、この差は何なのか。不甲斐ない。
「だけどこれから特捜部に行けば帰宅も遅くなるだろうし、料理もあまりできないかもしれないな」
「僕のことは気にしないでください。むしろ志賀さんが多忙になって身体を壊さないかが心配です」
「気をつけるよ。それよりも忙しさのせいで君とすれ違いにならないかな。そっちのほうが心配だよ」
そうか、そういうこともあるかもしれない。下手したら同居しているのに数日顔も合わさないということもありうる。
「特捜部はやはり泊まり込みの勤務が多いのでしょうか」
「そうらしいね。夜通し捜査とかブツ読みとか張り込みとかあるみたいだから」
「大変ですね。ドラマや映画のような華やかなイメージで見がちですが、そんな甘いものではないということでしょうから」
「そういう仕事をカッコイイと思うの?」
まだ何かを引きずっているようだ。というか勘違いされているような気がする。水落とそんな話をしたなんて言わなければ良かっただろうか。
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