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「今まで話さずにきたのは君にがっかりされたくなかったからだよ。俺にいいイメージを持ってくれてるみたいだったから。要するに嫌われたくなかった」 「嫌うなんて…そんなことは絶対にないです」  それだけは断言しておかなければと思った。どんな過去があろうとも、もしそれが世間から後ろ指指されるような種類のものであっても、だからといって志賀自身を嫌いになることはない。絶対に、だ。 「そう言ってもらえて少し安心したよ」  『少し』と言ったのはおそらく、まだ麻木がその話を聴いていないせいだろう。リアクションを見てからでないと完全に安心できないに違いない。 「約束します。その話をされても志賀さんへの気持ちは変わりません。好きです…から」  志賀がもしずっとそれを案じていて、そのために言えずにいたなら申し訳ないと思った。彼への愛情は確固たるものだと伝えて、安心させたいと思ったから言った。 「ありがとう。俺も、誰よりも深く君を愛してるよ」  言い終わると同時に、また彼のくちびるが自分のそれと触れる。  次第に息が乱れるほどに快楽の波に呑まれていく。 「…っ…」  志賀のくちびるは耳朶からうなじにかけて滑り、性感帯というのか、敏感な部分を掠めるとびくりと反応してしまう。焦らすようにそこを避けて旋回するものだから、なおのこと欲情をかき立てられてしまう。
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