5006人が本棚に入れています
本棚に追加
/356ページ
・・・・・・・・・・・・・・・・
「せっかくお店にかけて来てくれたのに
電話にでれなくてゴメンね
今言ってくれればよかったのに・・・ 」
電話の向こうで
可愛いらしいハスキーな声が言った
ジュンはシャワーを浴びたばかりの
上半身裸で首にタオルをかけ窓際に立ち
信じられない気持ちで口をあんぐりあけて
スマホを握りしめていた
どうしてかかってくるんだ?
それに店って言ったな・・・・
やっぱり彼女は風俗嬢なんだ
それじゃユリアって名前は
芸名かもしれない
ジュンの良心の呵責が少し和らいだ
「今は中国にいるんでしょ?
出張ご苦労様・・・・
来週の今頃には戻ってこれるわよね?」
出張?
彼氏は中国に出張してるのか?
それじゃ今週いっぱいは彼女は
フリーってわけか・・・
って何を考えているんだ
ジュンは額から流れてくる嫌な汗を拭いた
間違い電話だと告げて電話を切るんだ!
それで終わりだ!
正しい事をしろ!
そう自分に言い聞かせるが
舌が上顎に張り付いて言葉が出てこない
「良ちゃん?・・・・
大丈夫?
風邪でもひいたの? 」
心配そうな彼女の声
「うん・・・・まぁ・・・
実はそうなんだ・・・」
ジュンはわざとらしく咳をした
何を言ってるんだ?
俺は?
最初のコメントを投稿しよう!