5012人が本棚に入れています
本棚に追加
/356ページ
ジュンはその場に立ち尽くしたまま
ユリアがいない入口を見つめていた
ああ・・・
今日も取り逃がしてしまった・・・
彼女を捕まえるのは難しいな・・・
ジュンは大きくため息をついた
背後から数人の警官の怒涛のような笑い声が響いた
「わははは!おいおいこりゃ
どういうことだ?ジュン! 」
一人の同僚の警官がにやにやしながら
ジュンの肩をがっしり組んだ
頭を拳でぐりぐりやられる
「気を付けないとセクシーな彼女に
殺されちまうぜ!
なんなら指名手配しておこうか? 」
タツも笑いながら言った涙をこらえている
「ちゃかすのは止めてくれ
僕は真剣なんだ 」
ジュンが不機嫌に言った
その横にも別の警官が飛んできた
いかにも面白がって
今やジュンは大勢の警官に
叩かれたり小突かれたりしている
「よお!ジュンいかしてるじゃないか
発情期かぁ?やっときたか
ワハハハハ!! 」
「彼女!いいな!応援してやろうか? 」
中堅の警官たちはいかにも
ジュンをからかうのが楽しくてやめられないというように次々と卑猥な言葉を発して
盛り上がっていた
その盛り上がりをよそに
ゴンと額をステンレス製のデスクにつけてジュンがボソッとつぶやいた
「ちきしょー・・・
僕はあきらめないぞ・・・・
ユリア・・・ 」
最初のコメントを投稿しよう!