プロローグ

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   危険行為、と呼ばれるものに惹かれるようになったのはいつからだろう。  一般的に『危険』だとされていることに興味本位で挑戦して、その様子を動画に撮り、ネット上にアップする。  そんなくだらないことを繰り返しているうちに、いつしかそれが日課となり、達成できなければ『臆病者』のレッテルを貼り合うのがお互いのルールとなっていた。 「バランス崩すなよ。川の水と垂直になるように飛び込むんだ。下手したら怪我じゃ済まねーぞ」 「わかってるよ」  同い年のくせに、やたらと先輩ヅラをされるのは気に食わない。  烏丸は小さく息を吐くと、意を決して足に力を入れた。    
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