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「…お嬢様、希姫お嬢様。そろそろ起きてください。もう昼近くになりますよ?」 「んっん~。…ゴハン、できてる?」 「もうとっくに。朝食は冷めてしまいましたから、昼食分をお作りしましょうか?」 「朝ゴハンので良い…」 「分かりました」 …新婚生活初日の会話が、ゴハン…。 実にわたし達らしい会話だ。 そう思いながら、両腕を先生に向かって伸ばす。 先生はにっこり笑うと、わたしをお姫様抱っこしてくれる。 そしてそのまま部屋のバスルームへ。 朝フロも先生に入れてもらうのが、いつもの習慣。 さっぱりした気分と体で、わたしは先生お手製の朝食を食べる。 向かいの席では先生がブラックコーヒーを飲んでいた。 「先生はもう朝食食べたの?」 「ええ。希姫お嬢様はいくら声をかけても起きませんでしたし」 「…わたしは何で先生がいつも通りに起きれるのかが不思議」 アレだけのハードスケジュールをこなした後で、普通の生活に戻るには1日の休養は必要になるはずだ。 でも先生はいつもの時間に起きて、しかも二人分の朝食まで作っていた。 …肉体年齢はわたしの方が若いけれど、先生はその上をいくのか。 ……今後、ついて行けるかちょっと不安。     
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