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わたしは一人娘なので、先生が将来婿入りすることになっている。
先生にはお兄さんがいて、今は結婚して、子供もいて、立派に実家を継いでいるらしい。
…さすがにわたし達の15年前の行動に一番驚いたのは、先生のお兄さんだったっけ。
報告を聞いた後、互いの両親は手放しで喜んだものの、お兄さんは白目をむいて、倒れた。
丸一日意識不明の後、起きた彼は悟った眼で先生を見るようになったらしい。
まっ、確かに18歳の青年が、3歳の女の子と結婚したいなんて言い出したら、普通は引っ繰り返るだろうな。
ウチと彼のご両親がおかしいんだ。
そして先生も。
当時高校三年生だった先生は、推薦が決まっていた大学をやめて、進路変更をした。
正確には大学は同じ所だけど、学部を変えたのだ。
経済学部から、教育学部へと。
そして教育免許を取って、大学生の頃からわたしの『先生』になった。
…いわゆる紫式部のアレ?とも思わなくもない。
けれど先生は勉強を教えるのがとても上手だし、他の雑学もいろいろと知っている。
一緒にいて飽きないし、何よりわたし中心に生きていることが、強く分かる。
先生が大学を卒業するのと同時に、わたしは小学校へ進学。
先生は実家を出て、ウチに就職した。
職業はわたしの家庭教師だ。
しかも住み込み。
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