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後編
高校に入り僕の人生は一変した。入学してからというもの、勉強をしても、しても成績は上がらない。授業を聞いても殆ど分からない。気づいた頃には、授業中はスマホと仮眠の二択。宿題も未提出のことが多かった。体調も悪くなった。入学してから何も楽しくなかった。違う、部活だけは楽しかった。毎日のように将棋を指した。でも夏休み明けの頃には周りは勉強に危機感を覚え、必修日の金曜日以外全く部活に来なくなった。僕も行かなくなった。そんな時、友達から1つのゲームを薦められた。それは3分間で5つのポータルキーを取り合う、簡単に言えば陣取りゲームだった。最初はルールも分からずつまらないと思っていた。でもやっていくうちにハマっていた。それは勉強では感じることの出来なかった、経験を重ねれば成長し、それを実感出来るものだった。やればやるだけ強くなれる。その魅力に取り憑かれたのだ。生きがいを失った僕に希望を与えてくれるゲームだった。僕に人生の指針を与えてくれた。「たかがゲーム。」と周りは言うかもしれない。でも、当時の僕にとってそれはゲーム以上の存在だった。
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