姉さんのこと。

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自分のことしか考えていなかったので、姉が高校受験をしていたことも、中学の卒業式を迎えていたこともまったく気が付かなかったのだ。 そして中学の入学式の時、そこで初めて中学へは一人で登校しなければいけないことに気がついた。 姉が通う高校は正反対の方向で、しかも高校に入って姉は部活動を始めたので、朝の出かける時間さえ異なり、一緒に家を出ることもできなくなってしまった。 その頃になればもう高校生も三年間であることを知っていたので、中学を卒業して姉と同じ高校を受験して入学したとしても姉は卒業してしまい一緒に通う事はできないということは理解していた。 が、その先がある。大学だ。 姉は四年制の大学を受けるつもりだった。なので、姉と同じ大学に通うことができれば一年間は一緒に通うことができる。なおかつ姉が留年してくれたらさらにもう一年増える。 僕は高校三年間は諦めることにして、大学に希望を持つことにした。 そして必死で勉強した結果、僕は姉と同じ大学に受かることができた。ようやく一緒に手をつないで登校できるのだ。 しかしながら現実は甘かった。大学は単位制であり、受講する講義の時間に合わせて通えばいいのである。     
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