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第0章:誕生
私は初めてこの世界の空気を吸ったとき、未来への道はもう決まっていた。
どうあがこうと
どうもがこうと
関係ない。
私は必死に両手で耳を塞いだ。
自分の耳から伝わる体温が自分の生きている証明となっていた。
耳を塞いでいたはずなのに、私には確かに聞こえた。
「これが現実なんだ。」
嫌だ。
私は激しい嫌悪感をこの世の中に抱いた。
頭がぐちゃぐちゃになった。
吐き気がする。
なぜ、私は生まれたのだろうか?
なぜ、私はまだ生きているのだろうか?
そんな混乱していた私の頭のなかでふとある言葉がよぎった。
「生きるって何?」
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