1135人が本棚に入れています
本棚に追加
豪快で面倒見のいい人だ。
俺もギルドに入ってすぐはよく世話になってた。
「今日の依頼は何だ?」
「採取依頼。バジャム山まで行くんだ」
「バジャムか…あの辺はモンスターが多いから気をつけろよ」
「分かってる。仮にもAA階級だよ?俺」
「そうだったな!若い奴は活きがいいからドンドン強くなるな!さぁ!行ってこい!」
「おう。行ってくる」
パンッと二人で肩を叩きあう。
昔からラベデのおっちゃんの気合い入れの儀式だ。
地味に痛いけど……ww
今まで何人のギルメンが泣かされたかww
手を振ってラベデのおっちゃんと別れて町の外に。
町から歩いて三十分ほどの森に入る。
今回は飛んで行こうと思うから人に見られないように周囲を確認する。
周囲には誰も居ない。間違いなし。
俺は一度上に来ていた服を脱いで鞄から背中に穴を開けてある服を取り出して着る。
脱いだ服を鞄に入れて、ついでにゼラおばさんに貰ったパンも鞄に入れて準備OK。
背中に意識を向けて翼を思い出すと体の中が動く。
痛くはないけどこの感覚がちょっとキモイ。
ゴキッメキャッと音が鳴りながら翼が出てくる。
飛ぶのは楽しいけどこの感覚どうにかなんねぇーかな……。
背中に開いた穴から翼がちょうど出てくる。
普通の服でやったら見るも無残な姿が完成だ。
バサバサと翼を動かして動作確認。問題なし。
俺は荷物を手に持つと木々の間から空へ飛んだ。
最初のコメントを投稿しよう!