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そんな俺の魔法が無効化された。
無効化するような魔法を向けられてすらない。
そして周囲に漂う濃厚な魔力。
魔法を使う奴ならわかる。魔法領域。
自分の魔力を周囲に広げることで、魔法発動の簡略化、周囲の探索に使える技術だ。
辺りに広げる魔力が濃いければ濃い程、発動できる魔法の威力も上がって、探索精度も上がる。
そして稀に、強い魔力による魔法領域は、領域内に居る自分より弱い者の魔法を掻き消してしまうとか。
でもコレはそれこそ魔力の消費が馬鹿にできない。
普通の人間なんて半径10m範囲の魔力領域を二時間維持できれば上等だ。
でも……コレはなんだよ?
魔力の発生地点も分かったもんじゃない。
しかもAAも俺の魔法すら消した。
「……化け物か」
思わず零れた呟き。
取り敢えず周りの魔物が邪魔だ。
AAAランクの魔物が居ないので俺は躊躇いなく火属性の魔法で周辺の魔物を焼き払う。
仮にも竜種。得意属性は火だ。
木々に燃え移らない特殊な火を使った。
魔物を一掃して考える時間ができた。
なんとか火は出せた。
でも周辺には誰とも知れない奴のアホみたいに濃い魔力が広がってる。
少なくともSSかSSSランクの奴だ。
SSランク保持者は人間だと……10人。
SSSランク保持者は……世界で5人。異世界からのチーター様方が2人居たはずだ。
体に纏わり付くような密度の高い魔力に肌が粟立つ。
この魔力の持ち主………俄然興味が湧いてきた。
俺は魔力の濃い方へ向かって歩き始めた。
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