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薄紫の炎は黄色い炎を塗りつぶしながら、ゆっくりゆっくりと全身を包んでいく。
その様子を欠伸をしながら見る。
地下に居るせいで時間が認識できないけど、かなりの時間が経っているはずだ。
眠い。
もう一度大きく欠伸をする。
「……そろそろかなぁ」
俺もボヤキの数秒後、ジジイの全身を薄紫色の炎が覆った。
薄黄色の炎や浄化炎は味方に使うこともできる炎だから熱さはないからダメージはない。
拷問するなら別でダメージを加えなきゃならない。
「さて、ジジイ…覚悟しやがれ!!」
俺は普通の炎をジジイに浴びせかけた。
熱さにジジイが叫びをあげた。
耳によくないwwww老害の叫びなんて誰得wwwwwww
せめてジィ様みたいに渋くていい声だったらなwwww
「さて、あんたは誰かの命令でも受けてたんだろ?じゃないと禁口の呪なんて掛けられないだろうし。全部ゲロってもらうぜwwwww」
「儂は!儂はぁ!!」
「儂は?なんだ?wwww」
「――――」
ジジイが口を開いた。
一回でゲロってくれればこっちの労力もかからなくて済む。
そう思って俺とソルージェは見守ろうとした。
だけど、上手くはいかなかった。
「ぐあぁっ!」
突然、頭痛に襲われた。
頭が割れそうな痛み。
内側から圧迫されているようで、外側から何かで殴りつけられているような痛み。
立つ事すらままならなくなって、地面に倒れた。
「ヴェディ!?」
ソルージェが何事かと、俺の横に膝をつく。
「あ、たま…がッ!」
「頭!?何で!?」
「しら、ねッ」
痛みに耐えるように、目を固く閉じて頭痛を過ぎ去るのを待とうとした。
≪余の術を解くとは、身の程知らずが。だが、面白い。少し痛めつけるくらいで許してやろう≫
脳内に直接、知らない声が響いた。
コイツ…脳に直接…!!www
なんて冗談が過ったのは一瞬で、その直後、俺の意識は途絶えた。
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