1116人が本棚に入れています
本棚に追加
/254ページ
なら―――と口の端をあげて笑いながら、元の姿に戻る。
その様子を門番が目を見開き、忌々しそうに…汚れたものを見る目をする。
「俺が純粋な人間じゃなくて、半魔だとして…どうするわけ?wwwww」
どうにも出来ないだろうけどwwwwと嘲笑って俺は門を見据える。
元に戻ったし、この巨大な門は開けて通るより飛び越えた方が早いよな。
「じゃーね門番さん。誰かがさっさと救助してくれると良いね」
俺はそう声をかけて翼を出す。
ビリッと嫌な音が背中から聞こえてきて溜息を吐いた。
すっかり忘れてた。
この服代は魔王様に持ってもらおう。
俺のせいじゃなくて素直に通してくれない信者な方々の所為だかんな。
信者の管理はちゃんとしてもらはねぇーと。
俺は翼をはためかせて巨大な門を飛び越えた。
「広いなぁ………\(゜ロ\)ココハドコ? (/ロ゜)/アタシハダアレ?」
俺氏、絶賛迷子中。
広大な庭を飛んで過ぎ、城に着くと俺は適当なバルコニーに降り立って着替えてから城内を歩き回り始めた。
こんな馬鹿でかい城、使用人の一人や二人居るだろ。と思って歩き始めてみたけど誰も居ないどころか声すら聞こえない。
真っ正面のバルコニーに降りたんだ、人が使わない場所じゃないはずなんだけど…。
いや、正直に言ったら最早バルコニーの位置すら分からん。
帰巣本能すら難ありの俺だ。こんなとこで迷うなんて朝飯前だ。
……メシ食うか。
最初のコメントを投稿しよう!