始め

4/5
1116人が本棚に入れています
本棚に追加
/254ページ
半分魔族のこの体は俗に半魔と呼ばれるものだ。 母は人間で、父が黒竜(ブラックドラゴン)と言う絶滅危惧種の竜種(ドラゴン)だった。 魔力がアホみたいに多い黒竜(ブラックドラゴン)は人の形も取れる。 そんな黒竜(ブラックドラゴン)の父と人間の母が交わって生まれた俺。 黒竜(ブラックドラゴン)は強さ故、誇りというか…プライドが高すぎて他種族…しかも自分たちより格段に弱い人間と交わろうとする奴はいない。 挙句の果てに強すぎてほぼ敵もなく、繁殖を必要としない黒竜(ブラックドラゴン)は転生者というチートの存在により、繁殖しないつーか…繁殖しづらい彼らはあっという間に絶滅危機へ。 純血種ばかりの中に半端者の俺が入れるわけもなく巣立ちして早十年。 この世界に生を受けて二十年になる。 黒竜(ブラックドラゴン)が何だかんだ言って滅んでないのはその特異性にあると思う。 黒竜(ブラックドラゴン)同士であれば性別関係なく、どんな組み合わせの番でも子を成せる。 雌と雌で子を成すのは少々手順が面倒なようだが。 まぁ、つまるところ一組番が居れば子は出来る。頑張れば。 子を成す確率は、一度の性交で5%にも満たない。むしろ1%もないと思う。 しかし、子供ができれば、子供は半年と少し…8カ月ほどで生まれ、10年で人間で言う17~18歳まで成長。成人扱いで巣立ち。 そこから成長は700年かけて50代程の見た目に成長するほど遅くなる。 気力と根気があれば増える種ではある。 因みにこれらの話は全て親父から聞いたものだ。 人間だった母が流行病で死んだのは、俺が3つの時だ、そこから一人で俺を育てた親父は酷い親バカだった。 巣立ちの時大号泣された。いい年した男の大号泣なんて誰得だと言った記憶もある。 一応俺には兄と姉一人づつ居るらしいが、最愛の母との間の一人っ子である俺が可愛い、らしい。
/254ページ

最初のコメントを投稿しよう!