異世界への扉は自室の窓でした。

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「もう・・・いいかな・・・」 僕、高校2年の上里当間は自室の窓から外を眺めていた。 上里当間という人間はいつだって平均以下。 勉強は下から数えたほうが早いし、運動に至ってはクラスの奴らからお荷物扱いされる始末。 「死んだらどうなるんだろ・・・」 最近そんなことばかり考えている。 そんな僕でも楽しいと思えることが一つある。それは国を作ることだ。 ・・・・もちろんゲームの中の話だが。 「よしっ!死んでみるか!生きてたってなにもおもしろくないし!」 そう思い自室から飛び降りようとするが持ち前の勇気のなさでなかなか体が動かない。 「はぁぁぁぁ~僕は死ぬこともできないのか」 自分のなにもかもに嫌気がさした僕は自室にあるPCに向かう。 「僕にはやっぱこれしかないよねっ」 無理にテンションを上げながら国建設 ゲーム、「King craft」通称キンクフを立ち上げる。いつも通りアカウントを打ち込みゲームにログインする。そこである異変に気付く。 「あれ、、、データが消えて最初からになってる、、、」 僕は一度ログアウトしてもう一度ログインする。 「やっぱり消えてる、、、!」 僕は絶望した。僕の唯一の生き甲斐であるゲームのデータが消えたのだ。 「ははっ、、、もういいや、、、」 僕は窓をあけ足をかける。 「母さん 、父さん、親不孝な息子でごめんなさい」 そう心で呟き窓にかけた足に力をいれる。 「----くそっ」 やはり足はそれ以上動かない。 その時----ブュオっっっと突風が吹いた。 「うわっっ」 バランスを崩した当間は頭から一直線に落ちる。 ----あぁ、僕は死ぬのか、、、 地面が近づくにつれ僕の薄っぺらい人生の走馬灯が僕の頭の中を駆け巡る。 「---さよなら」 そう呟いたのを最後に僕は死んだ。 死んだはずだった。 まさかこれから第二の人生が始まるとは夢にもおもわず死ぬはずだったのだ。
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