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伊武輝は立ち上がって大玉の星に向かって一歩一歩近づいた。星に近づくたびに、伊武輝の意識がぼやけていく。今度は光に溶かされているようだ。
危険を冒してまで、なぜ、おれを助けた? どこにでもいる一人の人間じゃないか。
大玉の星に向かって、精一杯手を伸ばした。
応えてくれ。なぜだ、なぜなんだ。
だけど、大玉の星は応えてくれなかった。そればかりか、伊武輝を突き放すように、伊武輝との距離がぐんと離れていく。
伊武輝の意識はそこで、深い眠りについた。
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