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女の言葉をきっかけに、男たちが動き出す。茂みのなかからさらに数人が現れた。身を隠して様子を伺っていたらしい。手に木材や金属バットを持っているものもいる。茫洋としたぼんやりした目は真っ直ぐに俺たちを見据えている。 俺たちの出番か。動こうとするのをグリーンの手がやんわりとストップをかけてきた。 「大丈夫ですよ。お気遣いなく」 そしてため息交じりに言った。 「こんなつまらない喧嘩をしてもおもしろくないでしょうから」 「ま、年の暮れですし?」 ブルーが首を竦めて見せる。 「ちょっと大掃除ばしちゃるか」 気合いをいれるようにレッドが手を打ち鳴らした。乾いた音が空き地に響く。 「では。今日も健やかに、お仕事を始めましょう」 掃除屋三人衆はまっすぐに女と、彼女が引きつれる集団を見やる。 「死体袋に入りたい方はどうぞ。何名様でもご案内できますよ」 男が飛び出してきた。 距離を詰めて来る敵へ、大股で歩き出したのはブルーだった。 彼は両手を腰に回した。ヒップバックから引き抜いたのは二本のハンマーだ。石割や石工作業で使うようなヘッドの大きいもの。両手にハンマーを握り、男たちを迎え撃つ。 殴り掛かって来た男の拳を軽やかに躱した。 男の態勢が崩れる。ブルーは右手を大きく掲げて、敵の首筋にハンマーを振り下ろした。     
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