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次いで、角材を振りかぶった男めがけて、ハンマーを投げつける。アンダースローで手元から放たれたハンマーが、男の溝内に突き刺さるように直撃。数分と経たずふたりの男が泡を吐いて昏倒した。
サングラスとマスクの所為でブルーの表情はうかがえない。
だが、ブルーが顔を向けると、ナイフを手にした男が小さく悲鳴をあげる。男は小刻みに震えて、頼りない動きでナイフを突き出すが、難なく手首を掴まれた。刃先はブルーが着ているゴムエプロンにすら届かない。
無言で振り上げられたハンマーが男の背筋に振り下ろされた。
向かってくる敵の一角はブルーによって切り崩されてしまった。
男たちは岩のようなブルーを避け、細身のグリーンへと狙いを定めて殺到していく。
「どうぞ、いらっしゃい」
力押しの突破を狙い群がる敵にも、グリーンは冷静だった。
肩に提げたスポーツバックに手をいれる。
木製の柄を握り、幅広の刀身が引き出されて行く。
敵の表情が一瞬で強張った。
グリーンがバックを足元に下ろした。その手に握られているのは、人の腕ほその刃渡りの大鉈だった。
男たちの顔色が青を通り越して白くなる。踵を返す間もなく、彼らの目の前には大鉈を両手持ちで振り上げたグリーンが迫っていた。
大上段からの一撃が雷のように落ちた。
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