9/12
前へ
/12ページ
次へ
次いで、角材を振りかぶった男めがけて、ハンマーを投げつける。アンダースローで手元から放たれたハンマーが、男の溝内に突き刺さるように直撃。数分と経たずふたりの男が泡を吐いて昏倒した。 サングラスとマスクの所為でブルーの表情はうかがえない。 だが、ブルーが顔を向けると、ナイフを手にした男が小さく悲鳴をあげる。男は小刻みに震えて、頼りない動きでナイフを突き出すが、難なく手首を掴まれた。刃先はブルーが着ているゴムエプロンにすら届かない。 無言で振り上げられたハンマーが男の背筋に振り下ろされた。 向かってくる敵の一角はブルーによって切り崩されてしまった。 男たちは岩のようなブルーを避け、細身のグリーンへと狙いを定めて殺到していく。 「どうぞ、いらっしゃい」 力押しの突破を狙い群がる敵にも、グリーンは冷静だった。 肩に提げたスポーツバックに手をいれる。 木製の柄を握り、幅広の刀身が引き出されて行く。 敵の表情が一瞬で強張った。 グリーンがバックを足元に下ろした。その手に握られているのは、人の腕ほその刃渡りの大鉈だった。 男たちの顔色が青を通り越して白くなる。踵を返す間もなく、彼らの目の前には大鉈を両手持ちで振り上げたグリーンが迫っていた。 大上段からの一撃が雷のように落ちた。     
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加