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「お掃除戦隊」 黒いキャップにグリーンの缶バッチを付けた男の掛け声がかかる。 すかさず赤い缶バッチの長身の男と、青い缶バッチの体格のいい男がそれぞれ声をあげた。 「レッド!」 「ブルー」 「そしてグリーン」 揃いの黒いキャップ、サングラス、黒いマスクが彼らの素顔を完全に隠している。黒いティシャツに黒のゴム長靴を履いて、ゴム素材の黒いロングエプロンをまとった彼らを見分ける術は体格とキャップについた缶バッチの色だ。 「参ッ上!」 「推参っ」 「参りました」 俺と明石、そして掃除屋三人衆しかいない空き地に、セリフも熱量もてんでバラバラな三人の声が響く。もっとも、切れのいいレッドのセリフと、腹から出ているブルーの低音に、グリーンの落ち着いた声音はかき消されてしまっていた。せめてセリフぐらい揃えて来いよ。 しかしグリーンはうんうんと頷いて、 「これでもか、というぐらい決まりましたね」 と仲間たちを振り返った。 レッドは拳を握りしめて興奮気味に身を乗り出す。 「ばりかっこよかった!」 「すっきりとした気持ちで仕事に望めます」 それぞれが足元に置いた荷物を拾い上げて、わははと笑いあっている。     
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