気付いてしまった、私

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彼が雪さんや他の女の子と仲良さそうに話してるだけでモヤモヤするし、雪さんが彼の事を好きだとわかった時には胸が締め付けられるように苦しかった。 きっとこれが、誰かを"好き"になるという事なのだろう。 『美雨さ、純情過ぎだよ』 「え…?」 『もっとさ、気楽にいればいいじゃない。どうせそんな胸が苦しいとか言ってるのは最初だけなんだから』 「そういうもん…?」 『そういうもんだよ』 晴香は気楽にいればいいって言ってたけど、それでも私は躊躇ってしまう。 彼は成人してて、私はまだ未成年…それだけでも躊躇う理由は充分だった。 それに彼には、"待ってる娘"がいるらしいし……そんな事を考えていると、晴香は尚も前向きなアドバイスをくれた。 『彼が他に好きな人がいるとしても、そんな人より美雨が魅力的な女になれば、美雨の方に振り向いてくれるかもしれないじゃん!!』 「…!!」 考えた事もなかった。 私に誰かを寄せ付ける魅力なんて微塵もないと思ってた…自信なんてなかった。 『ほら、私が色々アドバイスしてあげるから、今度の休み一緒にどっか行こ!!』 「う、うん…」 晴香はいつも前向きで、本当に羨ましいと思う。 いつでも輝いて見えた。 そうだよね、私も…変わりたい。 「お願い晴香…!」 『任せて!!』
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