prologue

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それでも…変えたかった。 暗闇にゆっくり落ちていく中で、尚もまだ手を伸ばしている自分がいた。 …届かない。 会いたい。 なのに、顔も、名前も、声も、何も覚えていない。 浮かび上がった場所すらどこか分からない。 あれは、どこだろう。 …三時を示す、時計台の針。 やっぱり、どこかで見た事があるのに。 何も憶えていない。 でも、…会えば、すべて分かるはずなんだ。 すれ違えば何もかも分かるはずなんだ。 だって、 「…君は」
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