4 水たまり

3/5
前へ
/54ページ
次へ
「お、お姉ちゃん…いつの間に?」 駅前のショッピングモールに行っていたらしく、たくさんのショッパーを肩から下ろしたお姉ちゃんが私の後ろに回ってきた。 「さっき帰ってきたばっかり。 ってか、隠す必要ないでしょ?見せてよ」 別に隠す必要はないけれど、一度隠してしまうと堂々と出すのも変な気がして、再び背中の後ろに隠す。 「い、いや!なんでもないよ!」 「じゃあなんで隠すのよー。 分かった。苺のマカロン買ってきたけど、二つとも私が食べちゃおーっと」 「えっマカロン?!見せる見せる!食べる!」 まるで小学生のようにはしゃぎ始めた私にお姉ちゃんは笑いながらため息をついて、机にことんと置かれたキーホルダーを手に取る。 瞬間、お姉ちゃんの動きが止まった。
/54ページ

最初のコメントを投稿しよう!

74人が本棚に入れています
本棚に追加