2 夏

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午後二時。 昼は過ぎたけれど、まだ太陽は元気に地上を照らしていて、外に出た瞬間また汗が噴き出した。 家を出て、人通りの少ない路地裏を通る。 なるべく影を選びながらしばらく歩くと、見慣れた洋風の白い家が目の前に現れた。 「心音〜待った?」 そう言いながら出てきたのは、白いワンピースを着て、この猛暑も気にしていないような、涼しげな顔をした女の子。 バックに家の鍵をしまいながら、軽やかに私の元へ駆け寄ってくる。 私の親友、茉由だ。 「ううん、今来たところ」 「そっか!」 微笑んだ茉由の茶色い髪がふわりと揺れる。 水泳をしていたら自然と髪が茶色くなる事もあるらしいけれど、どうしてこんなにも綺麗に染まっているんだろう。 私は、少し傷みかけた髪をぽんっと叩きながら、雲ひとつない空を見上げた。
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