莉奈の秘密

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「ねぇ~カラオケも飽きたし、この後、莉奈の部屋に行っても良いでしょう?」 あたしはマイクをガタンと置きながら言った。莉奈とは高校に入ってからの友達で、もう2年の付き合いになるのに、未だに部屋に連れて行って貰えない。 「うーん。今日はお母さんいないから」 ほらね。莉奈ったら、又口を濁す。 「居なくったって良いじゃんっ!」 あたしは莉奈の腕を引いた。 「もう高2だよー。大丈夫だよーあたし静かにしてるから!」 そだ。お茶菓子も持って行こうかなぁ。一人ウキウキ。 「莉奈の部屋ってどんな感じなの?やっぱりピンク色?」 今だってピンク色の口紅にピアスだもんね。 「う…ん」 あれ。乗って来ないや。変なの。まあ兎に角行こう行こう。 「お邪魔します!へえ、此処が、莉奈の家かあ!」 お母さんいないから、と言ってたけど、お茶菓子はどうしようかな。 「あ…ボ、いやあたしがやるから良いよ」 ん?今変だったよね? 「それより部屋に行こうよ!莉奈の部屋行きたい!」 「…んじゃ…でもびっくりしないでね?」 トントン。二階に上がって、右手に行って。ガラリと開けて。あたしはそこで固まった。 「…何これ?」 男物の服、ズボンに漫画。うわぁ。あそこにはえろ本じゃない…? 「本当は、男なんだ、僕。でも女装が楽しくてつい。ごめんなさい」 ええ! 「だって、普通に女の子に見えるよ?」 「声が高いの。元々。それに女の子顔なの…」 そっそんなあ。 ガクン。 あたしはへたり込んだ。 「そりゃないよぉ~」 あたしの2年の友情を返してよ!
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