0人が本棚に入れています
本棚に追加
/2ページ
「ねぇ~カラオケも飽きたし、この後、莉奈の部屋に行っても良いでしょう?」
あたしはマイクをガタンと置きながら言った。莉奈とは高校に入ってからの友達で、もう2年の付き合いになるのに、未だに部屋に連れて行って貰えない。
「うーん。今日はお母さんいないから」
ほらね。莉奈ったら、又口を濁す。
「居なくったって良いじゃんっ!」
あたしは莉奈の腕を引いた。
「もう高2だよー。大丈夫だよーあたし静かにしてるから!」
そだ。お茶菓子も持って行こうかなぁ。一人ウキウキ。
「莉奈の部屋ってどんな感じなの?やっぱりピンク色?」
今だってピンク色の口紅にピアスだもんね。
「う…ん」
あれ。乗って来ないや。変なの。まあ兎に角行こう行こう。
「お邪魔します!へえ、此処が、莉奈の家かあ!」
お母さんいないから、と言ってたけど、お茶菓子はどうしようかな。
「あ…ボ、いやあたしがやるから良いよ」
ん?今変だったよね?
「それより部屋に行こうよ!莉奈の部屋行きたい!」
「…んじゃ…でもびっくりしないでね?」
トントン。二階に上がって、右手に行って。ガラリと開けて。あたしはそこで固まった。
「…何これ?」
男物の服、ズボンに漫画。うわぁ。あそこにはえろ本じゃない…?
「本当は、男なんだ、僕。でも女装が楽しくてつい。ごめんなさい」
ええ!
「だって、普通に女の子に見えるよ?」
「声が高いの。元々。それに女の子顔なの…」
そっそんなあ。
ガクン。
あたしはへたり込んだ。
「そりゃないよぉ~」
あたしの2年の友情を返してよ!
最初のコメントを投稿しよう!