新しいXXX。

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 ユカリちゃんって新しいもの好きだよねぇ、と私に言ったのは高校時代の友人だった。  多分それは、彼女も同じように流行に敏感だったからだろう。いつも一歩で遅れてしまう私と違って、彼女はいつだって最先端だった。テレビで紹介されたお洒落な髪留め、キラキラとしたトートバッグ、ヒールの高いブーツにもこもこの手袋。いつもお洒落な彼女はみんなの注目の的で、同時に私も憧れていたものである。 『ねえ、どうすれば私もサキちゃんみたいに流行に敏感になれるの?お洒落になれるの?』  そう尋ねた私に、彼女はなんと言ったのだったか。 『そりゃあもちろん、テレビや雑誌を細かくチェックすることでしょー。でも、人気のアイテムを手に入れるだけじゃダメ。流行に着いていった上でカッコよくキメるには、ちゃーんと自分自身も努力しないと。例えば……』  ああ、そうだ、思い出した。
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