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リーエが二歳の頃、俺が生まれて一輪足らずの頃からだからもう十四輪の付き合いになる。それまでは当然闇犬の群れの中で暮らしてたんだが、すったもんだあって幼馴染みたいな関係だ。
俺が普通の犬ならもう年寄りだがな、魔獣ってやつは長生きなのさ。通常種の四倍くらいは生きる。だから今が魔獣としても最盛期ってわけ。相棒はまだ若造だがな。
その相棒はフュリーエンヌ。貴族でも何でも無いからただのフュリーエンヌだ。名乗るとすりゃ、この村の名前を取ってステインガルドのフュリーエンヌだな。村の人間は相棒をリーエって呼ぶ。
年頃だから最近めっきり雌らしい身体つきになってきた気もするし、若い雄達が群がるところを見ると、なかなかな別嬪なんじゃないかと思ってる。
焦げ茶の髪の人間が半数くらいを占めるこの辺りで、リーエは薄紫の髪をしているのも目立つ原因だろうな。当の相棒は、肩の後ろくらいまで伸びた髪の先がピンピン跳ねるのが気になって仕方ないっていつも言ってる。
瞳は茶色でよく見る色だが、ぱっちりとしていてクルクルと良く動く。何だかんだで動き回るから肌も薄っすらと日焼けしてるが、毛皮も無いしふにゃふにゃと柔らかい。良くそれで平気なもんだといつも思うぜ。
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