消えない恐怖

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 かなり長い時間金縛り状態だったように思える。  無駄だと思いながらも、必死に心の中で訴えていたら、不意に金縛りが解けた。   『助かった!』  正直今夜は、このまま恐ろしい世界に 連れて行かれるのかと、とても、不安だった。   翌朝、母の助言により 持っていた御守りを例の壁に吊っておいた。 気休めかもしれないが、それ以来 私は、壁の音を聞いていない。  数十年経った今でも 時々車であのマンションの前を通ることがある。  あの時のまま、変わらないマンション。  あの壁もそのまま・・・。  今住んでる人もあの壁の音を 聞いたのだろうか・・・。  私には、分からない・・・。  壁の音の正体も何もかも・・・。               完
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