2人が本棚に入れています
本棚に追加
かなり長い時間金縛り状態だったように思える。
無駄だと思いながらも、必死に心の中で訴えていたら、不意に金縛りが解けた。
『助かった!』
正直今夜は、このまま恐ろしい世界に
連れて行かれるのかと、とても、不安だった。
翌朝、母の助言により
持っていた御守りを例の壁に吊っておいた。
気休めかもしれないが、それ以来
私は、壁の音を聞いていない。
数十年経った今でも
時々車であのマンションの前を通ることがある。
あの時のまま、変わらないマンション。
あの壁もそのまま・・・。
今住んでる人もあの壁の音を
聞いたのだろうか・・・。
私には、分からない・・・。
壁の音の正体も何もかも・・・。
完
最初のコメントを投稿しよう!