ヘンリー

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 全てを見透かされているかの様に思えた。ヘンリーは牧師を睨みつけると、腹をくくったかの様に、肩の力を抜き、ゆっくりと語り出した。  「分かった。理由を言おう。」  これからが本番だと言わんばかりに、牧師の顔は一段とニヤけた。  「妹は・・・不死なんだ。・・・多分、あんたの所に来たと思う。僕と同じ顔をしている。一卵性の双子だ。」  ヘンリーの言葉に、牧師は少し考え込んだ。何かを思い出そうと、上を向いてはヘンリーの顔を見てと、視線を行ったり来たりとさせた。何度か繰り返ししていると、今度はじっとヘンリーの顔を見つめる。そして思い出したかの様に、口を大きく開け、手に持つ煙草をヘンリーの方へと指した。  「あぁ!あの美少女か!」  思い出した牧師は、嬉しそうに何度も頷く。  「うん、うん。君、どこかで見た事あると思ったら、あの美少女の双子の兄か!深い青色の瞳が同じだ。」  瞳の事を言われたヘンリーは、思わず視線を牧師から逸らした。  「妹の名は、グレイスだ。」  牧師は聞き覚えのある名前に、また何度も頷いた。  「あーそうそう、確かグレイスちゃんだ!長い金色の、サラサラヘアーの子だったなあ、確か。」  段々とグレイスの姿を思い出して来た牧師は、嬉しそうに彼女が来た時の事について、話し出した。     
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