2 隠し味

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 昼食もそこそこに、寝室へと行こうと誘い先立った小野寺の背中に、糸川は抱き付いた。  不意を突かれて全く無防備だった小野寺は、とっさに反応出来ずに固まった体を糸川に表に返され、口付けられた。  身長差は糸川の方がやや高いくらいなので、互いの欲望の在り方が重なり合う。  しかも、糸川は勢い余ってなのかそれともわざとなのか、押し付けてすらくる。 「お、おいっ・・・!」 「スミマセン。でももう、ガマン出来ません!」  さっき謝ったのとは全く違う、凄みのある口調で糸川にささやかれて、寝室へと続く短い廊下の壁へと、小野寺は押し付けられる。  あと、ほんの少しくらいガマン出来ないのか!?と小野寺は思ったが・・・出来ないのだろう。  若い糸川には。 自分の昔むかしのことを、おぼろげながらも思い出す。  仕方がない。と小野寺は覚悟を決めた。 お返しはお返しらしく、大人しくしておいてやろう。 ・・・今日のところだけは。  糸川の手がセーターの裾から潜り込んできて、アンダーウェアの更に下の小野寺の素肌を探った。 糸川の手は小野寺には温かかった。熱いくらいだった。  上って来た手の平で胸を撫で擦られる。瞬く間に乳首が硬くしこるのが自分でも分かった。 「小野寺さん・・・」  糸川の欲情した声までもが下肢に響いて、小野田は辛かった。 セーターを胸元までまくり上げられたが、室内の暖房が効いているからか、それとも体が火照っているからなのか寒くはない。 「っっ!」  熱い糸川の唇で舌で、左のを擦り舐められて思わず殺し切れなかった声が、小野寺の口から零れた。  糸川の手は小野寺が履いているチノパンのベルトを外し、前をくつろげる。 かなり強くもみ込まれるが、下着越しだったので小野寺は痛みを感じなかった。 「もう・・・っ!」 「出そう・・・?イッちゃう?」  糸川の口調から敬語が消えたのを糸川自身はもちろんのこと、小野寺も又、全く気が付いていなかった。 うなずく小野寺に笑い掛ける糸川の顔はオスのそれだった。  後から小野寺が思い返しても、ゾクリとするくらいに。 その笑顔のままで、糸川は小野寺へと口付け、下着の中へと手を差し入れた。  大きなため息を、小野田は今度は殺すことは出来なかった。 「お返し、もらうから」
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