2 隠し味

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 膝が割られ、腰を突き出すように引き寄せられる。 そうして作った小野寺の狭間へと、糸川は思うがままの速さで自分の欲望を行き来させた。  小野寺としては、皮ふの薄い敏感な箇所を擦り上げられるのだから堪らない。 前のを刺激されるのとは、全く別の快感に喘ぐ。  その快感が不意に止んで、小野寺は熱い湿ったモノを尻と尾てい骨辺りとの感じた。 ナニであるかは、確かめなくても大体の想像は付いた。  荒い息と共に、糸川が後ろから告げてくる。 「・・・ホワイトデーには、ちゃんとココももらうよ。おれのものにする」  言い聞かせるかの様に尾てい骨の更に奥の、秘密の入り口へと指が這わされた。  糸川が放った、おそらくは白くてドロドロとした濃い体液の所為で滑り、くすぐったい。 「随分と吹っ掛けるな。高かったのか?あのチョコ」 「値段じゃないよ。勇気、すごい要ったんだから。ね?いいでしょう・・・?(あきら)」  名前で呼ばれると、ダメ押しだった。 全くとんでもない新人が入ったものだ。と小野寺は先を思いやって、大きなため息を吐いた。  もうこの場で、寝てしまいたいくらいに疲れていたが、あのことだけは糸川へと告げておかなければならないと、気力を振り絞り、体ごと前を向く。 「チョコレート、ありがとう。美味しかった」  それが今日の目的、礼を言い、お返しを渡すことだった。 ちゃんと果たせたことは、応える糸川の笑顔を見れば、小野寺には分かった。                       終
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