退廃的な男女

わりきり

13時40分。近くのパーキングに車を止めて、待ち合わせ場所のコンビニへ行った。

このコンビニには表口と裏口があって僕は後者から入った。

６つの暗い色をした机があって、１つの机に４つの椅子が備えてある。

雑談に講じているものもいれば、一人で昼食をとっている者もいる。

僕は向かって左側の椅子に座った。そして目線の先は裏口だ。

さっきサヤさんから車通りが多くて遅れてくるという連絡があった。

恐らく、このコンビニに近い、僕が車を止めたパーキングに止めるであろう。

そして、そこから近いのは裏口だ。だから、こうして座っていればスムーズに落ち合うことが出来ると思った。

とは言ってもコンビニで探すのに苦労するなんてことは、ないと言っても過言ではない。

緊張と興奮が心の中で混ざりあっていて気持ちが乱れている。

僕は心を平静にするために、コンパクトサイズの新約聖書を読んだ。

これはクリスマスの時、サンタクロースのコスプレをした外国人から貰ったものだ。

マタイ福音書の中に、こんな言葉がある。

姦淫してはならない。つまり淫らな気持ちで女を見たら、すでに心の中で犯していることになる。ということらしい。

至難の業だなと思った。このような気持ちは自然に発生してしまうものだ。

心の中で犯すことも罪だと言うのか……。

だいだい世の中には男をそうさせるコンテンツで溢れているのだ。

世の中は歪んでいる。だから人も麻痺しておかしくなる。

紀元前4年に生れたイエス様。あなたはさぞかし立派なお方なんだと思う。

しかし存外あなたの言葉は日本には浸透していないだろう……。