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《ガーディアンズⅡ Black Widow》
《ガーディアンズⅡ Black Widow》
水品 正生
第一章 求めてはならないもの
気のはいらない依頼がたまにある。やりたくないと言い換えても良いが、どう考えてもガードの対象に理がない場合、だ。
立場によって、正義など簡単に置き換わってしまうから判断は難しいのだが、それでも今回の件は火を見るより明らか────誰が見ても理はこちらには無い。ただし“ルール”に抵触はしていない。すなわち犯罪者のガードではないと言うことだ。
それでも受けた理由は、いくつかある。ひとつは目的地が同じだった事。ただし、こんな山越えは想定していなかった。
ごつごつした岩に囲まれた空間────山の中腹にひらいた洞窟の中に、あたしたちはいた。数時間前に降り始めた雨は、しとしとと三人の身体を叩いていたが、自分の足下さえはっきり見えなくなる豪雨に変わり、先を急ぐとはいえ、これ以上の強行は危険と判断して、洞窟に避難したのだ。
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