justice

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《JUSTICE》                              水品 正生     ペリエ歴二年、後に銀河歴元年に改名されたこの年は、”魔術師達”(マジシャンズ)にとっての記念の年でもある。その年の半ばまで、地球はふたつの政府に割れていた。それが統合された年なのだ。と同時に、金星に本拠地を置く“魔術師達”による団体が、後に“静かな戦争”と呼ばれる争いによって独立し、地球に対しても市民権を得たのである。  このふたつの出来事には密接な関係があり、どちらも同時に成し遂げられなければならなかった。厳密に言えば、同時ではないのだが、地球政府統合に際して、大きく貢献したのが“魔術師達”なのだ。  二つに割れた政府の人口はほぼ同一。浮動票を手に入れなければ覇権を握ることが出来ない。そこで各政府は一度は放逐した“魔術師達”の市民権を戻すことにより、統合政府の実権を握ろうと画策したのである。  この覇権争いに乗じて、“魔術師達”は金星に独自の政府を作り上げ、一方の政府に肩入れをする事により、覇権を握らせ、また、自らの地位をも安定させたのである。  “静かな戦争”と呼ばれる所以は、この肩入れが友好的なものではなく、“魔術師達”の一方的な押しつけによるものから来ている。  以下八名による、すべての電子機器の停止、および破壊を示唆し、地球政府側は否応無しに認めざるを得ない状態に追い込まれる。  槇村 優一朗    “分子破壊”=クラッシャー  甲斐 巧美     インテリジェンススーパー  キャンディー・メム テレパス  大沢 誠悟     アンドロイド技術者  大沢 悟      シリコンキラー  大沢 慎悟     “自由人”=テレポーター  森村 礼子     スペシャルセクレタリー  アルベルト・ムーク ブレーカー
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