1.

12/15
437人が本棚に入れています
本棚に追加
/280ページ
女はグラスを見て…次に俺に視線を滑らせた。 目が合った…ゾクリっ…と何かが走る。 「あなたに奢られるつもりはないわ」 「そうゆわずに…再会を喜んでくれよ」 女はグラスに視線を送るが手に取る気はなさそうや…席を立とうとする仕草… 「なぁ、高峰(たかみね) 咲季(さかき) さん、ちょっとゆっくり話しよか」 驚いた顔を一瞬したけど、直ぐに表情が戻った。 席を立つ気は無くなったようや… 「人の名前を調べる前に、自分の名前をゆったらどうです」 咲季は視線をグラスに向けたままやが、口調が変わる。 「それはすまんな、俺の名前は高崎(たかさき) 鷹椿(たかつ)や、一応、ここらを納めてる」 「高崎組…」 「知っててくれたようで」
/280ページ

最初のコメントを投稿しよう!