1.

14/15
437人が本棚に入れています
本棚に追加
/280ページ
「そんなことしたら、男の沽券(こけん)にかかわるんと違いますか。年増女も落とせんと力つこうたと… 何にせよ、私は誰ともそんな関係になるつもりはないんです…」 咲季は前にあるグラスをグッと飲み干し、バーテンダーに「ご馳走さまでした」と言って、札を置いて席を立った。 「分かった。そうゆうんやったら本気で落としたる…覚悟しとけや」 「入りません、忘れてください」 咲季はこちらを見ることなく出ていった。 「深見よう、あの女どう思う…」 「鷹椿さん…どうされたんですか?色恋にとやかくゆうわけじゃありませんが」 「俺も分からん、なんか気になるんや」 「正直なんでとは思いますが、いっそ一気にしてしもうたらどうですか?」 まぁ、深見のゆうことはよう分かる… あの女に手間とられて、イライラしとるやろ…
/280ページ

最初のコメントを投稿しよう!