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ありふれた恋の物語
「坪田さん、余命は5ヶ月です」
そんな言葉で俺は人生の終わりを意識させられることとなった。
病名は難しくて覚えられなかった。
ただわかったのは、腎臓が機能していないということと、余命が5ヶ月しかないということ、今から2ヶ月以内に臓器の移植手術をすれば自分の病気は治るということだ。
部活の途中で体調不良を訴え、病院に行ってみれば余命宣告。
あっという間の出来事で未だに信じることができない。
「まだ治る余地はあります。ただ、ドナーがなかなか見つからないので、すぐに手術をすることはできません。人工透析の必要もあるので今日からすぐに入院しましょう」
話のほとんどを理解できない中、こうして俺の入院生活は始まった。
はじめの方は実感がわかず、ひたすらYouTubeなんかで動画を見て過ごしていた。
ほぼ毎日簡易検査をし、数日に一度人工透析をする。現実味のない毎日を送る中で刺激が欲しくなる。
よくよく考えてみれば、最後に外の空気を吸ったのはいつだろうと思う。
こうして俺は、入院してから2週間経った頃、はじめて病院の屋上に訪れた。
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