第1章 妹だって言ってんでしょ!

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今朝も何となく目が覚めて、何となく学校へ行く。 誰とも挨拶なんてしない。 したって気味悪がられるだけだ。 適当に授業を聞き流したら、休み時間は携帯ばかりいじっている。 といっても、普通にいじるのではない。 この携帯は、通話やメールをする携帯とは別に、電気街で手に入れた格安のジャンク品だ。 改造してOSを入れ替えてある。 インターネットに繋ぐために、もう片方の通話用の携帯も使用している。 テザリングという奴だ。 更に、これでは電池の減りが早いので、充電をもたせるための携帯バッテリーも必要だ。 あとは、携帯キーボードを無線で繋ぎ、ひたすら文字を打ち込み続ける。 どうだ、気味が悪いだろう。 携帯を2台、充電器とキーボードを机に並べ、周りの空気なんてお構いなしに打鍵する姿は、自分で自分を俯瞰してみても、相当に気持ちが悪い。 ひそひそと陰口が聞こえてくることもある。 でも、これをやめたからといって誰か俺の友達になりたがるわけでもなし、俺は俺が楽しいと思うことをやるだけだ。 よし、休み時間が終わるまでに、この問題だけでも…。 「危ねっ!」 ん…? ガッシャーン!!     
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