事実は小説より奇なり

事実は小説は奇なり

私は世の中でいうと、OLと呼ばれている。会社の後輩と付き合い早5年。会社の人にはバレたくないと社内で交際を去る者は数知れず、ただもうそろそろ結婚も考えていいと思っていた。

ある日、学生時代の友人から電話がきた。
「玲奈、久しぶり？元気にしてる？」
「元気だよ！瑠衣は？」
「私も元気だよ。突然なんだけど、落合さんって知ってる？」
「もちろん！」
「先週の夜、同期が開いた飲み会に来てたんだけど、私の友達がLINE交換してさ」
「へぇーそうなんだ。それで？」
「実は何度か旅行に行こうって誘われてるんだよね...付き合ってもいないのに、なんか誠実さに欠ける人だなあって思って。よく考えてみたら、玲奈と同じ会社だって思ったからどんな人か聞きたくて連絡したんだよね」

察しのいい方はもうお気づきだろう。これは浮気の発覚である。そう、その落合くんこそが私の彼氏である。私に黙って飲み会に参加したこと、連絡先を交換したことは目を瞑ろう。でも、旅行に誘うのはアウトだろう。なぜ旅行なのだ？どこから浮気か論争が勃発しそうだが、私は浮気するなら徹底的に隠せと強く主張したい。浮気はしない方がいいに決まってる。でも人間だもの、魔がさすこともあるだろう。ならば自分が知らなければ、まだ心は穏やかでいられるはずだ。その点でいうと、落合くんは完璧にやってのけた。はたまた私が鈍感すぎるのだろうか。私は全く気がつかなかった。でも結果的に周りに回って私は知ってしまったから、私は落合くんを呼び出した。