事実は小説は奇なり

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ランチに行こうと落合くんを誘うと、いいね!とすぐ返信がきた。ランチの後に何があるのか本人は知る由もない。 和やかにランチを楽しんだ。落合くんも大好きなイタリアンのお店のピッツアを食べた。バレンタインデーも近いこともあってランチをご馳走した。私がアイスコーヒーか飲みたいと言ったから、近くのカフェに入った。 しばらくの談笑して、落合くんがスマホのゲームをし始めた。いつものことだ。 「ねぇ、落合くん」 落合くんの目が私の目を見返した。 「落合くん、私に何か隠してることない?」 私への後ろめたさや誠実さがないのか、一応謝罪や言い訳のチャンスを落合くんに与えてみた。 「何もないけど。なんで?」 落合くんの目がまたスマホに戻った。 「本当に?私に対して何か言わなきゃいけないことない?」 「何もないよ」 そうか。ならば、仕方ない。言い訳の機会はちゃんとあった。これは落合くんの判断ミスだ。 「先週の夜、私とのご飯を断ってどこかに行ってた?」 「行ってないよ」 あくまでもシラをきるらしい。 「そう。◯◯の居酒屋で3対3で飲み会してない?」 「えっ」 彼の表情が曇った。私は努めて優しく伝えた。     
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