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あとがき
拙作をご高覧いただき、ありがとうございます。
この話は、エブリスタ×竹書房「怖い噂」コンテストに応募しております。
タイトルの『人を呪わば穴二つ』とは、「人に害をなそうとすれば、自分に害が返ってくる」という意味のことわざです。
『他人を呪い殺せば、自分も相手の恨みの報いを受けて呪い殺され、相手と自分の分で墓穴が二つ必要になることから。』【故事ことわざ辞典】
この話で、コウタは、呪怨を叶えるという噂のある神社を参拝します。
参拝の時に、偶然良い行いをしたので、神の化身らしき黒い狐が3つの願いを叶えてくれた訳です。
しかし、気になるのは「ネットの噂では、代償が必要」だったという点。
コウタは、浮気相手(アツシ)の命を代償に、自分の願いが叶えられた――と呑気に喜んでいますが、果たしてそうなのでしょうか。
願いの1つが「浮気相手の落命」であるならば、その命が代償になるというのは――ちょっと都合の良い解釈だと思います。
それを暗示するかのように、病室を去るコウタの足元の影の中には不気味な光が一瞬現れるのでした。
『人を呪わば穴二つ』。
禍を与える「何者」かを崇める者に、幸福が訪れるとは到底思えません。
仏教でいうところの「因果応報」、「悪因悪果」ですね。
ちょっと後味の悪い話になりました。
あとがきまでお付き合いいただき、ありがとうございました。
また、他のお話でご縁がありましたら、よろしくお願いします。
2019.1.31.
砂たこ 拝
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