運び屋ジャズ&スパイシー

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「私のことで何か揉めているんですか」 「別に、コリアンダーとはいつもこんな感じさ」 「クミンはいつも厄介事を持ってくるからな」 「へっ、まあ、確かにな」 「星間大使館まで連れて行っていただければ、それ相応の報酬はお支払いします」 「ああ、そうだったな。報酬についてまだ話していなかったが、お嬢ちゃんお金は持っているのか?」 「ローレルです」  クミンの軽快な口調に、ローレルはムッと顔をしかめた。 「現金はあまり持ち合わせていません。でも星間銀行にいくらか資産が……」 ローレルが言いかけた所で、宇宙船が大きく揺れる。船内に響く緊急アラート。ローレルは首を左右に振って辺りを忙しなく見る。 運転席のコリアンダーが唸った。 「強制ジョイントだ。ケツを掘られちまったぞ」  助手席で寝そべっていたクミンが飛び上がった。 「さあ、始まったな! ここからはちょっとだけスパイシーだぜ」  クミンは愛銃を腰に提げて、素早く貨物エリアへと移動した。
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