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転生
記憶は、残されたままで、彼女は心の底で嘆き悲しんだ。姿が赤ちゃんになっていても。
最初は、泣いては周りを混乱させて泣き疲れて眠るを繰り返していたが、慣れたのだろう。
「今日もよく泣くな、こいつ。」
少年は、赤子を一暼すると呟いた。男の名前は、五十嵐拓実。8歳である。
「拓実、抱き上げてみる?」
母、五十嵐麗華は抱き上げた赤ちゃんを拓実に優しく渡そうとした。
「いい。」
「…いいの?」
「うん。だって、手を握りたいから。」
「あら、じゃあお兄ちゃん、優しく握るのよ。」
麗華はニコニコしながら二人を残してその場を後にした。
「写真、写真~♪」
そして、数分後泣き止んだ赤子と手を握って笑う少年の写真が撮れたのである。
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