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パチン、と
小さな音を立てて電気がつくと
そこはほとんど何も無い、ガランとした部屋だった。
雨はあたらなくて
風も吹き込んでこないけど
どことなく寒くて…
「おいで」
女の人はそう言って
ボクを小さな電気ストーブの前に呼んだ。
ふんわりと良い匂いがするタオルでボクを包んで
優しくなでるように、濡れたボクを拭いてくれた。
ひんやりとした部屋で
ボクと女の人がいる場所だけが
温かい。
雨に濡れて
すっかり疲れたボクは
リズムよく撫でられる背中に
気持ちよくなって
いつの間にかぐっすり眠ってしまった。
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