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夜になっても帰ってこず、翌日になっても誰一人戻らない。
暑い夏の日で、しかも勝手知ったる山の中です。
猟友会の人達が遭難するとは考えられません。
もし万が一遭難したとしてもこの気温で死ぬことはないでしょうが、なんらかの原因で事故にあった可能性も考えられました。
準備に追われる私達はそんな異常事態の最中にあっても、手を止めるわけにはいきません。
神社の境内で神主さんと駐在さん、それに猟友会の家族の人達が山の方を見ながら相談していました。
準備をしながら耳にした会話の内容は、火山ガスが……、山犬の群れかも……、転落した……といった感じで、皆不安そうに憶測を交わしていました。
結局、駐在さん他数名の大人が山に入ってみる、ということになりました。
大声で呼びかけながら駐在さん達が山へと入っていきます。
漠然とした不安が境内に立ち込めていました。
私達は準備に追われ、気がつけば日が傾き始めていました。
駐在さん達が山に入って数時間、山道の方を見ると先程山に入っていった大人達が這々の体で山道をこちらに走ってくるのが見えました。
「駐在さん達が戻ってきたよ!」
と大声で皆に伝え、神主さんを呼びに本殿に向かいました。
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