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(呪うてやる!未来永劫、呪うてやる!子々孫々に至るまで、我に盾突く報い、受けるがよい!)
がぁぁぁっ!という雄叫びと共に、鎌首を天に向けた大蛇の体が、塵のように朽ち果てていく。耳をふさぎかぶりを振っていると、転げ落ちるときに聞こえていた鈍い音が止んだ。見下ろすと、二人は石段の一番下で、仰向けに転がっていた。
「ヒナタ!ミカゲ!」
次の一段を踏み外し、そのままずるんと滑り落ちる。背に何度も石の角がぶつかるが、どうでもよかった。一番下まで来ると、そのまま四つん這いで二人の元に寄る。二人とも、口や頭から血を流し、ぐったりと動かない。
「ヒナタ!ミカゲ!しっかりして!起きて!」
その呼びかけに眉を動かしたのは、ミカゲだった。
「ミカゲ!ミカゲ!」
くじいたか。思うように動かない左足を引きずりながら、しっかり体を起こし、ミカゲの肩を揺さぶる。
目を、見開いた。
肩から光る粟粒のようなものがはじけだした。よく見ると、ミカゲの体のあちこちから、輝く金色の粒があふれ出している。
「な……!?」
粒が一つはじけると、ミカゲの体が少し消える。また一つはじけると、また少し消えた。それは一斉に、数を増やしていた。
「や……やめて!ミカゲ!起きて!」
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