11人が本棚に入れています
本棚に追加
立てた膝に乗せたヒナタの手から、ぷらん、とぶら下がる氷菓子。顔を少し傾け、サクッとかじりとる。心地よい冷たさが喉をくすぐり、深く、腑に落ちていく。思わず目を細めた。満足し、目を開けると、やはり視線はこちらに注がれている。目が喉元に釘付けになり、かすかに口が開いている。隙だらけのヒナタに、顔を寄せてみた。
「何、見てるの?」
おわぁぁ!とすっとんきょうな声を上げると、顔を背け、ヒナタはごまかすように氷菓子をちびり、と小さくかじった。
「あ……、私が食べたところ、かじった」
「な……!なんだよ!おかしな事言うなよ!」
「こっちかじればいいのに、わざわざなんでこっちかじるの?」
最初のコメントを投稿しよう!