1.出会った時

3/7
前へ
/14ページ
次へ
今日もいつもと同じように会社で残業をして夜中の12時に家の前についた。 さすがに4日連続この時間に帰ってくるのは身体的にまずかっただろうか。仕事を終えた瞬間、思考回路がはっきりせず、足元もフラフラとおぼつかなくなってしまった。 ふと、家の前のゴミ捨て場をみると明日のゴミがもう捨ててあった。たしか燃えないゴミだったはずだ。 いつもと変わらない様子だったはずなのだが、ひとつだけ、真っ黒なゴミ袋が置いてあった。ほかのビニール袋は全て透明だったので月の光でより一層黒光りしているそれは少し異様にすら見えた。 普段ならば不思議だとだけ思って無視をするのだが今日は判断力が低下していたため興味をもったままに体がそちらへと動いていった。 そして、その黒いゴミ袋を覗き込んだ時だった。 なんと、そのゴミ袋が風もないのに動きだしたのだ 俺は幽霊などの類を一切信じでいないので、そちらの恐怖は感じなかった。 しかし、動揺はおさまることはなかった。 幽霊ではない。しかしひとりでに動いた。 つまり、なかに生き物がいるということになる。 いったい誰が?どうしてゴミ袋なんかに入れて? 犬だろうか?猫か、うさぎか? それとも…人間だろうか? 俺は胸の激しい鼓動を感じながらその袋を開けた。
/14ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加