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思っていたよりずっと饒舌で俺は呆気にとられてしまった。
そして俺は唾をわざとらしく飲み込んで
「俺は…君と友達になりたかったんだ。」
と言った。
…なにを言っているんだろう
案の定、その子も不思議そうな表情をしていた。
俺が必死に取り繕おうと慌てていると
「ふふ…」
…笑った。
少し不自然だけれどその口角は確かに上がっていて、目尻は優しそうに下がってた。
「ぼくね、ずっとお家の中にいたからお友だちがいないの。」
ゆっくり息を吸う音だけが真夜中の部屋に響く。
「だからね、うれしい。」
「お友だちになりたいって言ってくれて、うれしい。」
俺はその時の笑顔を生涯一生忘れない。
俺が、この子を守るんだ。
そう決めた瞬間だった。
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