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テンシは仮初の天使。同様にアクマも仮初の悪魔。
「例えば……テンシ。実はお前さ、本当は悪魔の心を持っているんじゃないか?」
そう言葉を紡ぐのは悪魔的考えを持つアクマである。
辺り一面が黒、その中にいて、そこにアクマだけがいる。寂しい空間でしかし、だからこそ、テンシと会話することだけは可能だ。
テンシはアクマの質問に回答する。
「そんなことは無いですよ。私の心は至ってテンシ。そこに嘘偽りも在りません」
断固として反対するかのような態度をとるテンシ。
彼女はアクマである空間を真反対にしたような色?つまりは白い空間に、天使の輪っかを頭に浮遊させていた。
テンシは天使のような容姿。
アクマは悪魔のような容姿。
それがテンシでありアクマである。
そして、テンシの空間とアクマの空間には明確な線引きがされている。
それが白の空間にいればテンシの領域で、黒の空間にいればアクマの領域だということだ。そのように、二つの思念では思っている。もっとも、本来は一つの思念しかないが…………。
アクマは「キャハハハハ」と笑いながら、言葉を続ける。
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